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いつもの道、ちがう角 松尾由美 / 光文社文庫 | 「奇妙な味の小説」という分類があるそうです。ぼくの好みで言えば、ミステリーっぽくて、ホラーじゃないという、そういう作品。阿刀田高さんにも、幾冊かありますね。この、「いつもの道、ちがう角」は、奇妙なという言葉がぴったりの小品群だと思います。書店で平積みになっているのを何となく手にとって……という経緯で読んだのですが、そういう本が「あたり」の時は、本当に嬉しいものです。皆さんも、ぜひ、ご一読を。 |
浅草熱風どかどか団 椎名誠 / 新潮文庫 | 「作家椎名誠の揺籃期」というような固いタイトルを付けたら書店で手に取ってみようという人がぐっと減ってしまうかも知れません。シーナさんの本は、「何じゃ、この本は」と思わせる題名の付け方をしてあるのがしばしばありますね。それで、思わず手に取ってしまうなんてことも。で、この本ですが、各方面で売れっ子になったシーナさんが、業界紙の編集の仕事を辞めて、いわゆる「筆一本」の生活を始めるあたりの経緯が描かれています。「本の雑誌」社で当時唯一の社員だった群ようこさんがゴッドマザー的にデーンと居られるのも面白いところです。ボランティアの学生のことがもう少し書かれていると、タイトルの「熱風」が、さらに生きただろうなあと思いました。 |
パリの徳川埋蔵金 神山宏 / 審美社 | 徳川埋蔵金はパリの持ち出されていて、1867年のパリ万博のとき、日本使節団の徳川昭武はナポレオン三世との密約を試み、それが成功すればフランス軍が江戸城を支配するとこになっており、しかし財宝は行方不明になり、盗賊団が目をつけ、そこにフランス政府も登場し、パリに消えた徳川御用金の争奪戦が展開され、モン・サン・ミッシェルに奇怪な現象に見舞われるのである。 |
博士の愛した数式 小川洋子 / 新潮文庫 | 単行本で出たときに、ずいぶん評判になり、また、本屋大賞という賞をうけたので、ご記憶の方も多いと思います。このたび、映画化されるのを機に(?)、文庫になったものです。80分しか記憶がもたないという数学者と、たまたまそこに派遣されることになった家政婦、その息子の三人が主な登場人物。わけのわからない数学用語がぱらぱらとちりばめられているものの、語り口は、きわめて平明。中学生あたりにもお勧めしたい一冊です。 最近読んだ本の中で、「素数」というタイトルの短篇がありましたね。高橋源一郎さんでしたっけ。こちらは、異様な数学少年が登場する、少し気味の悪い話です。両者を、数学的興味で読まれても面白いかもしれません。 |
ダ・ヴィンチ・コード ダン・ブラウン / 角川書店 | ヨーロッパでは発禁騒ぎになっているとか。意外に読みやすい。もっと重厚な語り口になっているのかと思っていたら、上下ともそれぞれ1日で読めてしまいました。あまり難しく考えずに楽しむに限ります。 |
武人立つ 安本嘆 / 郁朋社 | 北関東の小領主に過ぎない上泉秀綱が、巨大な戦国大名の間で生き抜いて行く過程に涙あり。大地に根ざした武士たちが生き生きと描かれ、最後に剣の道へ歩みだす情景も秀逸。何といっても歯切れの良い文体に酔えます。大注目の新人作家なり。 |
国々の公 大高未貴 / 幻冬舎 | 中東から極東、キューバ、アメリカまで日本を含めた9ヶ所の国や地域での現況ルポ。信じられないような状況が目の前にさらされる。キューバも意外だったが、チベットはもう国がなくなる寸前の状況に追い込まれている。近隣諸国との外交も大事だが、離れた地域の状況をないがしろにすると、外交判断を誤ってしまうかもしれない、と思わせる本。日本人必読! |
勝 海舟 子母澤寛 / 新潮文庫 | 半年ほど前に、「父子鷹」という本をお勧めしたのですが、その際、あの本は、海舟がいよいよこれから活躍するというところで終わるので、それが残念と思いました。同じ著者のこの本が、その活躍篇にあたるので、またしてもこりずにこの欄をお借りしている次第。もう面白くて、どんどん読めてしまうのですが、結構分厚い本で6冊あるらしいのが、難点でしょうか。まだ、書店の店頭では、第3巻以下を見かけたことがありませんが……。 |
東京奇譚集 村上春樹 / 新潮社 | 書き慣れた人の雑文のようなものであり、面白い題材も文章に配慮していないので、題材が生きておらず、たとえば品川猿―自分の名前を忘れるのは高校時代の名札を猿に盗まれたからであるが、そこに飛躍するためにはちょっと文章を工夫しなければならず、作者はしかしそのひとひねりに知恵を使っていないので、単なる読み物ものになっていて―つまり現実から非日常への変換に失敗していて、要するに文体というものが欠如しているのであって、この作者を誉めるのはどうかと思わざるを得ないのである。 |
カムイ伝 白土三平 / 小学館 | 全巻一気読み!実は3度目。名作中の名作。現在第2部が連載されているが、ある程度まで話が進んだところで、まとめ買い、一気読みを狙っています。血沸き肉躍る冒険譚でありながら、いつの世にもなくならない、身分制度や差別問題を盛り込んでいて、とても興味深く読めます。マンガ嫌いの方にオススメです。 |
ダメな奴でも「たたいて」使え! 後藤芳徳 / フォレスト出版 | 毎度おなじみのテーマ、「人をどうやって使うか」。この問題に解答はいくつもあると思われるが、ともかく読むと気分がすっきりする。上司も部下もそれぞれの立場で大変だが、何とか仕事をこなしていきたい。著者が風俗の経営者というのがユニーク。どこがユニークかというと、もともとはみ出しものだとわかっている人間をどう使うかという、とても根源的なところからの発想が、他の気取ったコーチングの本などとは一味違う。苦悩する管理職はぜひご一読を! |
東京タワー オカンとボクと、時々、オトン リリー・フランキー / 扶桑社 | …久しぶりにやられた…と全面降伏のこの本。読んだ人々から”電車の中では読まないようにね!”というありがたい助言をいただいていたにも関らず、やってしまいました…爽やかな快晴の朝の通勤電車の中、こらえきれず涙がポタリ…。でも、この本では泣かない方がおかしい!泣かない方が難しいのです!!(たぶん…)絶対!お薦め!大切な人たちに優しくなれ、ついでに、いつのまにかリリーさんも好きになってしまう本です。読んでみてください! |
苦悩のオレンジ、狂気のブルー デイヴィッド・マレル / 柏艪舎 | 池上冬樹が週刊文春の書評で、「ここ数年でベストの短編集」と書いてたのでついつい購入。読了しての感想は、まさしくベストの傑作でした。ダークサスペンスと呼ばれるジャンルを切り開いたマレルの文章力とセンスに、ぐいぐい引き込まれること請け合いです。海外の小説はたまに大当たりが出ますよね。 |
わかったつもり 西林克彦 / 光文社新書 | 本を読むのが大好き、というか、唯一の生きがいみたいにしてきたのですが、このごろ、何かちょっとおかしい。読んでいてもよくわからない、とか、読んだはずなのに頭から抜けてしまっている、ということがちょくちょくあるのです。年のせいかなあと思っていたのですが、この本を読んで、ははあ、なるほど、と思いあたることがあります。要するに、文章がちゃんと読めていなかったのです。著者が悪いわけでもなんでもなくて。視線が紙の上をサラサラとなぜているだけであったということになるでしょうか。一字一句もゆるがせにできないほどの名文はそうそうお目にかかれないかもしれませんが、それでも、わけもなく駄文を連ねてあるはずはないので、何となくわかったつもりで読み飛ばしてしまっては、作者の言おうとしていることがちゃんと掴めるはずはありません。今後に活かしていかなければ、という自戒をこめて、皆さんにもご一読をお勧めします。 |
国うりたもうことなかれ 櫻井よしこ / ダイヤモンド社 | 雑誌に発表された時論を集めたもの。国民が知らなければならないニュースを、新聞やテレビはいつから流さなくなったのだろう。この本には我々がマスコミからは入手し得ない驚愕の事実が沢山書かれている。皆さん、マスコミは信用できない時代になってしまいました。ニュースは書籍やインターネットで収集し検証しなければとんでもないことになりそうです。 |
正しい恋愛のススメ 一条ゆかり / 集英社 | 普通の高校生”博明”が愛を売る出張ホストの道に引き込まれ、彼女である”美穂”とその母”玲子”との三角関係にもまれながらも本当の恋愛を知り、成長していく大人のラブコメディ。あまりの非日常と徹底した”美穂”の潔さに思わずのめり込んでしまうコミックスです。現実からちょっと離れてみたい時には絶対お薦め!ドラマ化されたお昼の連続ドラマは、主人公が母らしいのですが、このコミックの影の主人公は絶対”美穂”!男性にしたいぐらいの潔さと寛容さには本当にほれぼれしてしまいます。 |
チェチェンの呪縛 横村出 / 岩波書店 | ここのところ「マンガ嫌韓流」や拉致問題で、極東の地域情勢には目が行くようになったのですが、アメリカ以外の地域の状況は大きな事件でもない限り全く目にも耳にも入ってこないままでした。この本を読んでみて日本がとても恵まれた国だと再認識しました。地続きの国境線がないこと。特定の宗教が大きな力を持っていないこと。水が豊富なこと意外は特別な天然資源がないこと。などなど。歴史の流れを変えることができるのは、今何を考えてどう行動するかということしかないのに、なかなかそれができないのは、人間が感情を持った動物だからというのも皮肉なものです。考えることだけはやめてはならないと強く感じました。 |
大丈夫 !! 水野聖子 / 新風舎 | 感動した。分かりやすくて読みやすい 簡単な言葉なのに凄くおもい 今までにない新しい本に出会った感動がありました。今まで本を読まなかった人にもお勧めです。最後のぺージは・・・。ぜひ出逢ってみて下さい。 |
五木寛之ブックマガジン 五木寛之 / KKベストセラーズ | このところ、お寺回りをしたり、仏教の本を書いたりしておられる五木さんですが、ぼくの年代のものにとっては、「さらばモスクワ愚連隊」などの小説を語らずして……という気がします。この、ワンコイン(と言っても、100円ではありませんが)のムックは、60年代の五木さんの短篇がまるまる5篇はいっているだけでなく、当時の作者のムードを窺わせるいろんな文章が載っています。特に読むでもなく、本をあけたり閉じたりしているだけで、ふわぁっといい気分です(お前はアホか、と言われそうですが)。そして、次には、まだ本棚に残っている、五木さんの本を引っ張り出してきて、読み始めると、もう、これがやめられない次第です。オールド・ファンの独白で、すみません。 |
じゃぱのろじい行脚 松田毅一 / (私家版) | 日本とヨーロッパとの交流史を現地調査するために45年前イタリア・スペイン・ポルトガルを訪れた筆者の旅行記です。半世紀前というと、歴史上の過去というほどではありませんが、多くの人が気軽に海外に出かける現代からみると、やはり、隔世の感があります。なんといっても違うのは、海外持ち出し貨の制限が厳しく、極度に切り詰めた貧乏旅行であることでしょう。しかも、存在すら確かでない古文書を発掘しながらの、単身現地行。驚くのは、筆者の語学力です。英・独・仏をベースに、イタリア、スペイン、ポルトガルでも、現地人と渡り合い、ジョークで談笑するという具合です。こういう馬力のある人たちの努力の積み重ねで、「今」があるのだなあ、と思います。 |
半島を出よ 村上龍 / 幻冬舎 | 北朝鮮コマンド達にみる人間の内面の残虐性と無邪気さの同居、日本政府の危機的状況下における無能さ、二人の医師による人間の弱さと曲げられない思い・・・いろんなことを考えさせられる作品です。願わくば、日本救出のヒーロー達がもう少し自分たちの括弧とした意志で活躍してくれると、嬉しかったのですが・・・そうなるとハードボイルドな世界になってしまい、他のことが薄れてしまいそうでもあり・・・しかたがなかったのかもと、納得・・・。でも一読の価値あり!夏休みの締めにいかがですか? |
つまみ食い「新会社法」 山田真哉 / 青春出版社 | 「さおだけや・・・・」の山田さんの著書。あまりにお手軽なのもいかがなものかと思いつつ、新しい会社法がどうなるか、短時間で知りたかったのでついつい買ってしまいました。さわりだけで良いという方には超オススメ。30分で読めます! |
蒼めた王たち ロバート・B・パーカー / ハヤカワ・ミステリ文庫 | 何年ぶりかで、いわゆるハードボイルドを手にした。パーカーのスペンサーシリーズを初めて手にしたのは、内藤陳さんの超オススメ本ガイド「読まずに死ねるか」を読んでからだったと思う。結局ガイドにしたがって相当数のハードボイルドを読むことになった。またこの手の本に夢中になってしまいそうな気配を与えてくれた、「蒼めた王たち」でした。 |
あなたの子供を加害者にしないために 中尾英司 / 生活情報センター | 昨今、増加しつづける少年犯罪とその心の奥にある破壊的な病理を心理学に基づいてわかりやすく解説してあり、家族病理や社会背景なども交えながら、今 私たち親が本当にしなければいけない事を「強烈」に訴えかけています。大切な命の育みを潰してしまわないように…という思いがとても伝わってきた一冊でした。 |
武士道と日本型能力主義 笠谷和比古 / 新潮選書 | タイトルを見ただけで、「なんか古いなあ」という印象を持つ方が多いのでじゃないでしょうか。ぼくも、「素」で、書店の棚でこのタイトルを見かけたら。そう思うかもしれません。いっそのこと、『つぶれかけた会社を再建する法』とかなんとか、そういう方が、面白そうだし、また、著者の執筆意図にも近いのではないかと思います。実際、書かれている内容は、古臭いものとして捨て去られつつある日本式の人事システムを見直し、その長所を鋭く捉えるものです。文章表現が少し堅苦しいのに慣れてしまえば、著者の説いていることに納得してずんずん読み進められると思います。興味のある方は、同じ著者の『徳川吉宗』(ちくま新書)もあわせて読まれることをお勧めします。 |
不安の力 五木寛之 / 集英社文庫 | このごろはなぜ、若い人がああ大きい顔をしているのだろうか、と思うことがよくあります。将来、国民年金をサポートしてもらわなければならないし、若い世代には遠慮する、のでしょうか。中年は中年で、老年は老年で、それぞれ持っている価値観をもっと他の世代にぶつけていくのが自然なのではないでしょうか。ぶつけ合わずにいがみ合っているよりも、ぶつけ合ってお互いの立場を知り合い、思いやれる方がよほどよいのではないでしょうか。この本には、もっともっと大事なことがいろいろ書いてあるのですが、この部分だけでも読んでみる値打ちが十分あると思うのです。 |
「難民を追いつめる国」 クルド人難民二家族を支援する会 / 緑風出版 | 人間であることに理由のいらない、人間になることに資格のいらない、そんな日はいつ来るのか。本書には、難民問題を知ってしまった人たちの希望と絶望が詰まっている。人間の体温がそのまま伝わってくる一冊。 |
京都人は日本一薄情か 倉部きよたか / 文春新書 | 京都好きの人の書くのはべたべたして嫌みたらしい、京都人の書くのは自慢たらしい。著者はわたしと同じ「よそさん」だから共感がもてて小気味よい。京都の歴史も博物的で、京都トリビアとして読めるのもうれしい。 |
桶川ストーカー殺人事件 / | ストーカー規制法のきっかけとなった事件。 どこにでもいる普通のかわいい女の子と その家族の味わった苦しみや怒りが 伝わってくる。 真実を追い求める記者が 警察という権力の実態を暴く。 また、被害者報道というマスコミのあり方を問う。 彼女の遺言は僕らに大きなメッセージを 送っています。 忘れてはならない大切なメッセージです。 |
よく生きることは、よく動くこと 石井みどり / 草思社 | 91歳の現役舞踏家がその生き方の中から考えたことを綴った一冊。おもしろい!最近、心と体の問題をよく考えさせられるが、現代人の弱点の必然性が思わぬ角度で炙り出されている。エッセイとしても読みやすい。くよくよせずに体を動かせば解決することはたくさんありそう。この本を読んだことにより、呼吸法に興味が湧きそちら方面の本も買ってしまった。 |
トレント最後の事件 ベントリー / 嶋中文庫 | 「名探偵は、無能」と言った人がいます。名探偵であるためには、難事件を解決しなければならない。難事件と言うからには、それ相応の被害が出る方が望ましい。事件の発生を名探偵が未然に食い止めてしまったのでは、スリルが半減してしまうからです。かくて、名探偵は、連続殺人を茫然と座視したり、無能ぶりを一時さらさなければいけないハメになるわけです(同じ文庫の、「僧正殺人事件」は、まさにこのパターンです)。でも、このトレントの事件は、ちがいます。彼は、すばらしい着眼と論理で、犯人像を絞っていきます。その緻密さ! そして、大団円のどんでん返し。……ゆったりした一日、雑事を忘れて一気に読まれることをおすすめします。 |
英語を学べばバカになる 薬師院仁志 / 光文社新書 | ちょっと過激なタイトルですが、世を挙げての英語学習ブーム(の割には、成果が上がらない?)今どきの風潮に抗しての一冊です。著者の言いたいのは、グローバル化、英語=国際語って言うけれど、本当にそうなのかよーく考えよう、というところだと思います。アメリカの発想にひょこひょこ随いていくだけで大丈夫か。この辺は、人によって意見の分かれるところかもしれませんが、確かに、立ち止まって考えてみる値打ちはありそうです。同じ「民主主義」といっても、アメリカとヨーロッパとでは中味が異なる、だとか、英語で発信ができるようにとあくせくするよりは、発信する内容をしっかり持つようにしていかなければ意味がない、というあたりは、大いに同感です。皆さんの御意見は、いかがでしょうか。 |
認められたい! 太田肇 / 日本経済新聞社 | 名誉欲、自己顕示欲、プライド、嫉妬心など、「認められたい」という人間の欲求がどれだけ強いか、にもかかわらずなぜ表面化しないのか、どうすればそれを刺激して意欲を引き出せるか、について深く掘り下げて述べられています。具体例が豊富で、文章も読みやすい。ビジネス書とは違った面白さがあります。 |
運が良くなる100の法則 植西聰 / 集英社 | 女性向けの本が多い集英社のビィ文庫の中の1冊。何気なく手にとって見ると、なんとビジネス本に書いてあることと共通点がとても多い。要するに、信じることの大切さや、諦めないタフネスが必要なこと、人生を支配しているのは他ならない自分であることなどが、ビジネスの本とは違った表現で書かれている。人間なんて考えることは同じ、悩んでいることは同じ、ということか。行き詰まっていて何もやる気がおきない、本を読む気にもなれないという人はぜひ読んでみてください。 |
マインドマップ図解ノート術 SSIブレインストラテジーセンター編 / きこ書房 | マインドマップには以前から興味があったが、分かりやすい入門書。最近ハヤリのノートの取り方のノウハウ本に近いかも。思考をまとめるだけでなく、読書ノートや議事録、企画書、スケジュール帳などにも使えてしまう。書きながら考えたい人にはとても便利。考えがまとまらなくて困っている人はぜひご一読を。究極のモバイルツールは、ノートと鉛筆だったりして。 |
忘れられた日本人 宮本常一 / 岩波文庫 | 昔の人、といっても、大昔ではなく、明治前半頃に生まれた日本の庶民がどんな暮らしをしていたのか、を、聞き書きした本です。今の“進んだ”世の中には関係ないようなこともありますが、教えられることも圧倒的に多く、人間こうまでして生きてきたのか、ということに感動さえ覚えます。以前、「暮しの手帖」に、「ある日本人の暮し」という連載があったのをなつかしく思い出しました。 |
モントリオル モーパッサン / 岩波文庫 | モーパッサンといえば、気の利いた短篇か、長篇では「女の一生」が定番になっていますが、登場人物の多彩さや動きの面白さでは、この作品のほうが格段にうえではないかと思います。作品全体に、当時の有閑階級の倦怠感が満ちているのが、せわしい現代人には、かえって一服の清涼剤になるかもしれません。 |
間違いだらけの英語学習 近江誠 / 小学館 | 教育問題の中で、制度がころころ変わることが、何といっても、大きい問題だと言われています。英語学習は、典型的にその弊害が現われているように思います。コミュニケーションが大切だといっては、挨拶程度の英語をヘラヘラしゃべるのを奨励する。かと思えば、小学生からやらせてみよう、と言語能力のまだ弱い子どもの頭をかき回すとか、思いつき企画がのさばっている風情です。この本の著者は、間違い・誤解の現状に片っ端から噛み付いて、正論を対置します。もう、ほとんど、「喧嘩を売っているのか、この人は!」という感じさえあります。でも、丁寧に読めば、著者の主張になるほどとうなづく点が沢山ありました。識者の御一読を。 |
On the Wing アラン・テナント / 柏艪舎 | 不良親父、空を飛ぶッ! 隼に魅せられたおっさん二人がおんぼろセスナに乗ってアメリカ大陸縦断の旅に出る。ノンフィクションながら冒険小説の要素満載で、夢中になって読んでしまいました。レッドフォードの映画化も決まっているとか。 |
父子鷹 子母澤寛 / 嶋中文庫 | テレビや映画の「座頭市」を知らない人は少ないかと思いますが、あの作品の原作者が、この子母澤寛です。ちょっと忘れられかけている少し古い作家ですが、去年ブームになった新撰組のそもそもの発掘者(?)と言うべき人でもあります。幕末に材をとった作品が多いようですが、その極めつけは、この、「父子鷹」。勝海舟の父、勝小吉の小気味よい半生が描かれています。続編「おとこ鷹」も同じ文庫から出ていますが、惜しいことに、いよいよ時代の大きな渦巻きが起こるところで、作品が終わっているのです。息子の勝海舟の活躍を読みたい方には、いく分物足りないかもしれませんね。 |
アイ・ラブ・ヌーヨーク アキエダユミ / フィールド・ワイ | 面白かったです。テレビに登場する海外生活者って、失敗や挫折すらカッコよく見えるバイタリティあふれる人ばかりですが、突然NY生活を始めた著者は野心家でもなく目標もどこか曖昧で小心者。ヘンテコな街NYを舞台に30代女性の仕事・恋やいろんな迷いが、軽妙に描かれています。大笑いしてちょっとじーんときたり。サッと読めて後でじわーっと感動します。 |
のだめカンタ−ビレ 二ノ宮知子 / 講談社 | 言わずと知れた大人気のクラシック音楽コミック。ピアノ科の究極の自由人”のだめ”こと野田恵と実は指揮者希望の究極の天才自信家”千秋”を中心に世界をめざす音大生たちのパワフルで刺激的な生活を紹介してくれます。自由にしか弾くことのできない”のだめ”や飛行機に乗れない”千秋”の謎も解け、なんだかんだ言いながら”のだめ”を放っておけず世話をしてしまう”千秋”との関係も巻を追うごとにいい感じになってくるのですが・・・。そこまでできる”のだめ”達が純粋さはどこか懐かしく羨ましく、元気になれます! |
情報デザインの想像力 ーイメージの史学ー 藤本貴之 / 現代数学社 | この本は、デザインのノウハウとか、デザイン理論とかには一切に触れずに(!)に書かれてている「デザインの本」です。スゴい!とにかく、いろんな知識とかトリビアが大量に引用/紹介されていて、油断すると情報デザインの本であることを忘れてしまいます。作者の方は、非常に幅広い視点で、<情報>とか<デザイン>とかいうものをとらえています。情報デザインを良く知っている人でも、意外な発見が多発すると思いますし、良く知らない人でも興味を持って読めると思います。 |
八十二歳のガールフレンド 山田稔 / 編集工房ノア | 奇妙な題名ですが、著者の「落穂拾い」的な小品集だそうです。いまは故人となった知人の詩作品をじっくりと味わいなおす一文。また、別の知人との交友を追憶する一文。回想と追悼、とでもいった雰囲気の文章が並んでいますが、決して湿っぽくはなく、むしろ、それらの人たちが生きる拠り所としてきたものにそっと光を当てています。著者の、幅広い読書体験が、また、深い奥行きを持つものだということも知らせてくれる一本です。 |
なまぬるいスープ 曽野十瓜 / 文芸社 | インパクトのある題名とオビに惹かれて買ってみた。体の組織が透明化し水に変化する奇病に襲われた妻を見つめる夫の物語。妻の体が外側から透けていく状況を目の当たりにする恐怖、人間社会の中で揺らぐアイデンティティ、互いを想うが故に狂気を帯びる愛情等が次から次へ淡々と突きつけられ、止まらなくなる。そして「なまぬるい」ラスト。粘膜で覆われるような読後感だが、人間の存在についていろいろ考えさせられた。文章・構成ともにまだまだ未熟ではあるが、勢いを買う。どうやら素人がネットで発表した作品で未だに全文無料公開されているようだが、書籍として購入してもいいと思えた一作。 |
梅原猛の授業 仏教 梅原猛 / 朝日新聞社 | ちょっと古い本なので気が引けるのですが、勧めてくれる人があったので読んでみると、結構面白かったので、皆様にもどうかと思いまして。仏教というと、古臭い、線香臭い、葬式屋の坊主たち、などと、よろしからぬイメージが立ち上りますが、本来の仏教はどういうものだったか、どういうふうに伝わり広まって来たか、そして、現代で再考すべきポイントは何か。著者、というか、この本は、中学生相手の授業をブック化したものなので、話者というべきかもしれませんが、は、大筋をぐっとつかんで提示してくれます。仏教だけではなく、キリスト教やイスラム教の概観も示してくれています。一読、無宗教を標榜しているぼくでさえ、ちょっと真剣に考えないといけないなあという気になる迫力です。このところ、「人はなぜ宗教を必要とするのか」など、そのての本もいろいろあり、この本ではなくても、ちょっと目を通しておきたいものですね。 |
星の剣 中西のりまさ / 文芸社 | アニメや漫画を読んでいるような印象を受ける今までにない異色のファンタジー。よって好みは大きく分かれると思う。しかし、この物語には「人の想い」という大きなテーマがあり、深い部分もある。主人公を中学生と設定し、その中学生の中学生特有の心の脆さや高揚も、よく描かれていた。主人公のあまりに純粋な人を想う気持ちに自分の青春時代の淡い体験も思わず、思い出してしまった。私的にはすごく好感を持てた。 |
旭山動物園のつくり方 原子禅 / 柏艪舎 | いま動物好きの間では聖地と呼ばれている旭山動物園の本です。関連本は他にも何冊か出ていましたが、私はこの本をお勧めします。もう読むだけで行った気になれるほどの内容の濃さ! そして可愛い動物たちの写真!! とくに立松和平さんと園長さんの対談は必読ですよ。 |
喪失の国、日本 M.K.シャルマ/山田和:訳 / 文春文庫 | インドのエリートビジネスマンが、日本に滞在していた間に体験し思ったことを綴ったものです。日本人自身が考えもしない日本人の姿が語られ驚くとともに、現代の日本人は何を失ってきてしまったのかを考えさせられます。いずれにしても、めちゃめちゃ面白いです。 |
亡国のイージス 福井晴敏 / 講談社 | 今年3作品が映画化される著者の代表作ですが、本書も夏に映画化されるとか。原作がもともと映画を見ているような圧倒的な迫力ですから、楽しみにしています。日本の平和について考えさせられ、なおかつ主人公たちが織りなすヒューマンドラマに感動します。 |
売上2億円の会社を10億円にする方法 五十棲剛史 / ダイヤモンド社 | タイトルの派手さから受ける印象と、読んだときの印象がかなり違って、内容は会社運営の根本部分を分かりやすく指南している。言うことを聞かない部下にイライラしたり、会社の方向性が決まらすにクサクサしている社長。あなたにぴったいの本です。 |
大尉の娘 プーシキン / 岩波文庫 | 古本市を覗いたときに、懐かしくて、そしてもちろん、安かったので、買ったのがこの本です。文庫本をぼちぼち読み始めた中学生頃に出会った本の一冊です。主人公が、すてきな娘さんと相思相愛になって、いろいろあるものの最後は結ばれる、という、まあ、昔ながらの結構なお話なのですが、脇役が魅力的で、愛すべき佳篇となっています。いまは版元の方で品切れのようですが、ぜひ、ちょくちょく再版してもらいたいものです。 |
おさる日記 作:和田誠/絵:村上康成 / 偕成社 | 船乗りのお父さんがぼくにくれたおみやげはちいさなおさる。”もんきち”と名づけ弟のようにかわいがり、”もんきち”のようすを日記に描いたのがこのおさる日記。ぼくの真似をして日々進化する”もんきち”。やがて毛が抜けてきて・・・。びっくりのラストは、「橋の下で拾った。」よりも子供達を驚かせる効果があるはず。・・・ちなみに私はおさるが欲しい! |
PLUTO 浦沢直樹×手塚治虫 / 小学館 | 出ました!出ました!待望のPLUTO2巻!!その昔、「サイボーグ009」や「キカイダー」シリーズで半分機会であることの哀しさを学んできた僕ら世代には、手塚治虫の「アトム」はバイブル的存在。その作品への新たなる挑戦を仕掛けた浦沢直樹の勇気には感謝。姿形は異なろうともアトムたちの抱える哀しさは共有されています。ロボットたちの互いへの思いや家族への愛情、超えられない人との壁の絶望感・・・「PLUTO」にも引き継がれた思いは、人間である僕らの姿勢をも正させます。・・・願わくば、もっと早く続きが読みたい!!(懐かしいマーブルチョコ付きの方を買ったのですが、チョコが入っていないとは知らず大ショック!・・・チョコは入っていません・・・) |
ダ・ヴィンチコード ダン・ブラウン / 角川書店 | ”2004年度 本の評判 総合ランキング 72”の7位にもなっていた、話題のダ・ヴィンチコードを連休中に読了。下巻に添えられている”最後の晩餐”の絵はもちろん、登場する絵画や建築物への興味を抱かせ、作品で歴史ミステリの魅力満載。シーンのぶつ切りはちょっと気になるものの、テンポもよく上下2巻の長さは感じさせられません。主人公のロバートとは異なった魅力を感じていた人物が黒幕だった結末は、個人的には少々不満。製作中の映画では別の展開になってくれると嬉しいのですが・・・。ともあれ皆様にもご一読をお奨めします! |
スペードの女王 ベールキン物語 プーシキン / 岩波文庫 | 小説といったら近頃の作品は、どうも殺伐として、うるおいに乏しい気がします。そういう時代を反映しているのかもしれませんが、世相がそういうふうであればこそ、しみじみとした話をしっとりした文章で読んでみたい気がします。この本の訳文は、ちょっと時代離れした古カビの趣きもある文章ではありますが、本を読んでいるという気分にひたれるのがいいところだと思います。ロシアの作品には珍しく、人物名がややこしくありません。休日の多い時期、本好きの方々にオススメします。 |
爆笑トリビア解体聖書 矢部正範 / コアラブックス | 立ち読みばかりの私が本屋で笑いがこらえきれず、思わず買ってしまった本でした。聖書と言えば当たり前のキレイ事が書いてあるものだと思っていたのに、こんな話が書いてあるなんて・・・!目からウロコの本です。私は無宗教ですし聖書も読んだことありませんが、この本は雑学本として読めます。おすすめです! |
信玄忍法帖 山田風太郎 / 河出文庫 | 山田風太郎の忍法帖シリーズといえば、荒唐無稽が売り物(?)という感じで、先ごろ完結したちくま文庫のシリーズでは、グロテスクっぽいまでに感じたものです。この信玄でも、まあまあ似たようなものといえばそうですが、作品全体にどこか端正な趣きもあって、ぼくは、ずいぶん気に入りました。御一読をオススメします。 |
私の発想の原点 吉永勉 / 第一歯科出版 | 私の通っている歯医者さんが出した本の一冊です。歯医者さんらしくない見た目に反して(?)きちんと説明してくれて親切な先生です。その先生の生い立ちが書いてあり、人間的な魅力がわかりました。 |
プロ論。 / 徳間書店 | 今をときめく各界の成功体現者が、生き方、仕事について5ページのスペースで語ります。だから、簡単に読めて、しかも考えるヒントが沢山手に入るオススメ本。仕事や生き方に悩んでいる人はこれを読むべし!! |
ことばの由来 堀井令以知 / 岩波新書 | 「声に出して読みたい日本語」以来、ちょっとした日本語ブームで、文章・詩歌だけでなく、語句の本来の意味とか、使い方、由来にも関心が高まっているようです。この本は、まさにその通りのタイトル。細かく項が分かれていて、どこから読んでも楽しめると思います。むしろ、後ろの索引を見て、面白そうなところから拾い読みしていった方がいいのかもしれません。ただ、著者の一人合点的な文運びがちょっと読みづらいのは、あらかじめご了承を。 |
女性タレントミシュラン 今井舞 / 情報センター出版局 | 変なオビがついてて読む気しなかったのですが、立ち読みしてる人がふきだしたの見て私も見たら、すっごく面白い!故・ナンシー関の再来です!彼女のファンは必見!今まで多くの「ポストナンシー関」にがっかりしてきたけど、この本は大丈夫!人気タレント50人斬りまくってて、一人で3回はプッと笑えて、帰りの電車の中で困りました。お勧めです!!! |
肩ごしの恋人 唯川惠 / | 2002年の直木賞受賞作です。この頃は本を全然読んでなかったんですが、文庫化した直後に購入しました。主人公の2人の女性にフォーリンラブ。女の子ならすっごく同感できるし、2人の生き方素敵なんで、オススメしたい。最近女性作家の本を読むのが楽しくて楽しくてしょうがない僕。こんな雰囲気の小説また読みたいなぁと思います。本っていいですよね。 |
やりなおし教養講座 村上陽一郎 / NTT出版 | 教養という言葉は、概して、よくない文脈で使われるようです。いわく、「知性と教養が邪魔をして…」、あるいは、「あいつは教養がないなあ」、などなど。でも、この本の著者は、教養とは、単に知識が沢山あることなんかではなく、その人の生き方だといいます。言葉の定義はともかく(ということは、ぼくは必ずしもそれに賛同するものではないということですが)、他人にふりまわされない生き方をすべきだという著者の主張には、大いにうなづくところがあります。また、巻末の「べからず100箇条」みたいな文章は、読む人が各自のバージョンをこしらえてみると面白いでしょう。 |
爆笑トリビア解体聖書 矢部正範 / コアラブックス | たまたま書店で見かけた本書、立ち読みしているうちに笑いがこらえきれないんで購入することになりました。本書は、キリスト信者があまり触れたがらない聖書の「影」の部分を、取り上げたもの(まえがきより)で、右のページが本文(かなりくずれた口語体になっていて、サッとイッキに読み進めることができます)、左のページは、本文の説明を補完するイラストが描かれています。個人的にはひじょうにツボにはまり、私のように「宗教」とか「聖書」とかにまったく関心もなく予備知識のない者でもラクに読めましたので、ひさびさに「人に薦めたくなる本」です。 |
ハサミ男 殊能将之 / 講談社 | ハサミを首に突き立てる美少女猟奇殺人犯通称「ハサミ男」と模倣犯、そして「ハサミ男」の片割れ?の謎の医師との巧妙な攻防戦のうちに暴かれていく真実には驚かされます。最後まで明かされない殺人動機や医師との出会い・・・絶妙なハサミ男と医師コンビのやりとりは、思わず続編を期待してしまいます。この殊能氏のデビュー作!ついに映画化?!らしいのですが、誰がハサミ男??ネタばれ必須の配役だけに、期待半分、辞めてくれ!半分の複雑な気分。でも文庫化はありがたかった!読んでみてね! |
オーケストラの職人たち 岩城宏之 / 文春文庫 | 前著「指揮のおけいこ」ほどの切れ味がないのが惜しまれますが、オーケストラの裏話がいろいろわかって、楽しく読めます。実際、日本の名だたる管弦楽団が、こういう人たちの献身によって支えられているというのは、ファンでなくても知っておいてほしいところです。 |
漢字まるごと音読帳 吉本笑子 / 情報センター出版局 | こんな本を求めていたんです。親子で読んでも決して飽きない。飽きないのに字を覚えられる。いい本ですよ。こんな本が社会に認知されなきゃね。 |
血の収穫 ダシール・ハメット / 嶋中文庫 | 私立探偵の主人公が、依頼主に会おうとする冒頭、いきなり、依頼主が殺されてしまいます。以下、文字通り、血で血を洗う抗争の中、不死身とも思われる主人公が、プロ探偵の腕前、ハッタリ、動物的なカンや、主人公ゆえの好運も総動員して、事件の収拾にあたるのです。ハードボイルドの元祖ともいうべきハメットの名前は、前から知っていたのですが、作品はひとつも読んだことがありませんでした。そちら方面の愛読者の方は、やはり、御一読あってよろしいのではないかと思います。ただ、ぼく自身の趣味から申し上げれば、クリスティーでも余計に人を殺しすぎると思っているぐらいなので、その点では、ちょっとね。 |
報復 ジリアン・ホフマン / ヴィレッジブックス | 女性検事補C・J・タウンゼントの担当することになった連続殺人鬼は、12年前に彼女をレイプすることにより人生を狂わせ、今もなお悪夢と恐怖に怯えさせているあの男だった・・・。未だに亡霊のように彼女を蝕み何人ものブロンド美人から生きながら心臓を抜き取るという残虐なレイプ殺人の犯人を葬り去ることを、心に固く誓うのですが・・・。怖い!怖いけど目が離せない!フロリダの検事局で検事補だった著者ならではの凄惨な事件の描写もさることながら、特別捜査官ドミニクとの心のかよわせ方がいい!!最近ちょっと飽和状態だったパトリシア・コーンウェル氏より◎。久しぶりに寝不足にさせられたお薦めの1冊です。 |
ツルモク独身寮 窪ノ内英策 / 小学館 | 私の買って読ませたい本は「ツルモク独身寮」です☆地方から上京してきた正太が期待に胸を膨らませて恋に、人生勉強にと楽しい仲間達の支えの中で成長していく様に共感しました。今じゃ青春のバイブル?です。 |
チェーホフ 浦雅春 / 岩波新書 | 「チェーホフといえば愛すべき作家」という従来の定見を見直そうという労作です。チェーホフの数多い短篇を縦横にひきつつ、年代記的に跡付けながら、論を積み上げていますが、決して堅苦しい一方の論文ではなく、十分納得しながら後をついていくことができました。でも、チェーホフの作品はそこそこ読んでいるように思っていたのですが、この本を読んでいると、ふもとへも近寄れていないことが分って、それはそれでちょっとがっかりなのです。いずれにしても、うーむこれは、チェーホフを読まなければ、と、いい意味で発奮させてくれる好著でした。 |
Dear こげんた mimi / ハート出版 | 私はこの本の一ページ目の詩を読んだだけで涙が止まりませんでしたこの本はそんな人間としてあたり前の事をもう一度教えてくれる本です。また、この本は大切な人間としての心を失った私たちを救ってくれる本でもあります。 |
野ブタ。をプロデュース 白岩玄 / 河出書房新社 | 昨秋、文藝賞を受賞し、今期の芥川賞候補としてもずいぶん取りざたされた作品です。主人公桐谷修二は、学校の勉強なんて軽ーく流してやっていける(らしい)優秀な男子高校生。見るからに不っ細工な小谷信太がクラスに転入して来て、主人公がかかわりを持つところから話しが展開していきます。現代の高校生がらみの会話や風俗がふんだんに盛り込まれて、一見軽快なノリで進行し、思いがけぬ事件から、結末へ向かっていきます。主人公の繊細な、いや、脆弱な心情が、明晰な文章に盛り込まれ、歳を忘れて感情移入できる感じです。高校生の子どもさんがおられる方、ちょっと前に高校生だった方、それぞれいろんな読み方のできる作品だと思います。ぜひご一読を。 |
バッテリー あさのあつこ / 教育画劇 | 児童書だと思ってみくびっていませんか?今を大事に生き、ココロの中で葛藤し、繊細でモロイ心を持ち合わせ、悩み、苦しみ、胸がキュンとするほどカッコよく、たくましく生きている少年たちのストーリー。野球を知らなくても絶対に楽しめます。読まないと一生の損です! |
ドッグメン ウィリアム・W・パトニー / 柏艪舎 | 第二次大戦中において米軍犬隊がいかに活躍をしたのか、というノンフィクションです。やはり戦場において犬の利用価値というのは絶大だったのですね。そりゃあ日本軍も勝てませんよ。物語後半でハンドラーが殺されても、犬がその場を動こうとしない箇所はちょっと感動しました。 |